ファンドをやりたい、とよく相談を受けるけど、関係者間の利害関係って知ってる?
最近、以前にもまして、ファンドを立ち上げたい、という声を聞きます。しかも、ヘッジというより、プライベート資産の方で多いのですが、やっぱり資産クラスの注目度の問題なのか、ヘッジを出来る人というのが、昔なら投資銀行や証券会社のプロップデスクで投資して腕に覚えのある人、というのを育てる環境が無くなった、というのが主な理由なんでしょうか。まぁ、ヘッジの一部としてのエンゲージメント(もしくはアクティビスト)ファンドのご相談も受けますが、あまり知られていませんが、ヘッジの頭で関係者のチームアップするとドハマるんですよねぇ。まぁ、この記事の狙いは今回はプライベート資産なのでこれくらいにして。
さて、プライベート資産のファンドを立ち上げる、って、資産運用業の事業登録を財務省/〇〇財務局にしなくても金融商品取引法第63条の適格機関投資家等特例業務で「手軽に」出来るのもあってか、それでやりたい、という人と、この資産クラスに投資したいから後押ししていいよ、という人が増えたのか、本当に増えましたね。まぁ、そういう後押しする人を見つけないで始めてしまうケースもそれなりに見ちゃっていますが。。。
なんにせよ、お金を出す人と、それを「預かって投資する」人(本当は「預かって投資して、返す」人、が正しいし、今日の主題はそこにあるのですが、ファンドを立ち上げたい、と考える人と話をしていると、半分くらいはここで止まっているようなので、敢えてここで止めますね。)との間には、今の若い子たちの「推し」のメンタリティで言うところの「尊い」目的は共通しているので、ファンドを立ち上げて投資するところまでは共通の目的が目立つので見えてこないものが出てきます。それは「利害関係」です。
ん?同じ「目的」で投資するのだから「利害関係」って一致しているんじゃないかって?ちょっと考えてみましょう。

運用をする人は、その(隠しているかどうかは知りませんが)経済的目的でもある「運用報酬」と「キャリー」と称する成功報酬を頂くわけですが、その原資は何か、といえば「投資家の投資資金」です。とすると、組合契約という契約関係を通じて、運用をする人は投資家から少なくとも「運用報酬」を受け取っている、というのを再確認しておかねばならないのです。
ちょっと脱線:プライベート資産ファンドの報酬の考え方
この延長の議論として、年金基金の運用担当者やそのコンサルでプライベート資産投資のフォーマットに慣れておらず、投資信託からヘッジファンドに至るまでのオープンエンド型の流動性の高い運用商品の投資に精通している人たちから、こんな意見が時折出てきます。
「なんで、クローズエンドのプライベート資産運用って、投資組入期間中は出資約束額ベースの報酬計算をするの?投信みたいに預かり資産に対して働いているんじゃないの?」
金融商品的にはそうですよね?ファンドの預かり資産で報酬を支払うって、直感的です。でも、流動性が低い、ということはいつ投資が実行できるかわからない資産の場合、そういう投資出来るような投資対象を見つけ出して、売主に交渉し、投資制限がかかっているので投資家として受け入れてもらう、という「ブルームバーグの端末の表示するチャートを見て、あ、下がっているから買うわ」的な仕事で買えるわけではないので、組入ポートフォリオを作るまでは、出資約束額ベースで「あなたのポートフォリオを作る」作業の報酬を払っている、という説明になります。
もちろん、投資期間が終われば、組み入れたポートフォリオのそれぞれの資産の価値向上と売却が仕事なので、預かり資産ベースになっても当然と言えば当然です。
という議論からも、運用する人、まぁ、組合で言うところのGP、とか無限責任組合員という役割はその権限を最大に行使して、LP、というか有限責任組合員というより、顧客である投資家に代わって組合を通じて投資をできるようにしている、と理解されるところです。
という前提に立つと、LPのお金で、組入の時は出資約束額ベースの報酬で投資先の発掘、取得交渉から取得までを、投資回収期には資産の取得価格ベースでの報酬の対価としての保有資産の管理、保全、売却までの仕事をするエージェントの役割を果たしている、言い換えると、GPはLPに雇われている、とも言えるのです。
運用者と投資家との間のフェアネス:ウォーターフォールのメカニズム
さて、ここで、報酬の議論として残るところが売却して、さて成功報酬をどう考えるか、という話です。
投資案件ごとに成功報酬を考えるか、それともポートフォリオ全体で考えるか、という二つの考え方があって、投資案件ごとに成功報酬(もしくは超過収益の山分け)を考えると、
投資に成功した場合はいいけれども、元本割れで終わったプロジェクトについてはその損を埋め合わせしないで他のプロジェクトではまるまる成功報酬とるってどうよ?運用サイドに有利だよね?それに、この考え方だと、年率2%とか取っている運用報酬だって出資約束額の一部として投資しているのだから、ファンドの投資期間にわたって掛かってくる、これの回収はプロジェクトごとに割り振れないのだからどうするの???
という議論が普通に出るくらい早速に利益相反があることがわかります。なので、ポートフォリオ全体で考えるか、損失についてはその後実現したプロジェクトで穴埋めをまず行うという adjusted という、ほぼほぼポートフォリオ全体で考えるのと同じものもあるそうなので運用する側も、出資する側も、そういう損得という名の利益相反に対する配慮が必要になる、ということです。
ハードルレートの意味って?
とはいえ、この成功報酬とかキャリーの前にウォータフォールで立ちはだかるものとしてあるのが、ハードルレートです。ですが、多分、これを読む日本のベンチャーキャピタルファンドの人たちには実はほぼ馴染みがなく、でも、バイアウトの人たちからすると計算がややこしくて面倒なんだよな、というものがあります。
何か、というと、出資して投資回収したならば、LP投資家に対して、まずは元本の返還が行われるのですが、その次に、キャリーというか成功報酬というかの前に、投資家に優先的に支払うべきもの、です。海外を中心に国内のバイアウトあたりでは一般的に、出資額に対して年率8%の複利計算で計算される額、となっています。
では、これってどう考えるべきでしょうか。
例えば、今日、1億円を出資して、一般的なバイアウト投資の期間として。。。7年にしましょうか、計算も面倒なので、7年後の今日に全額回収できたとします。その間、リスクフリーで同じ額の投資をしたとしたらいくらになっているでしょう。最近の10年ものの日本国債だと、1%になるかどうか、ではあるものの、それだって、1%としても、真面目に複利計算すると、1億は1%ですら107,213,535円くらいにはなるなずなので。
だとしたら、その(日本国のGDP対比の国債発行額をもってこの国って債務履行能力ないんじゃないの?的な格付けさんの大好きな議論は置いておいて、一応国が発行するので破綻することはない、という前提に立った)リスクフリーでの投資分だって優先して払ってもいいのでは?というのがこのハードルレートの考え方です。
実際に、ヘッジファンドでも、未実現利益ベースでNAV/u(一口あたりの純資産価額)を計算して年次での増加分成功報酬を計算しますが、商品の流動性の高さ(例えば、半年ロックアップ、あとは四半期解約可能)を踏まえたリスクフリー(ちょっと昔なら 6ヶ月とか12ヶ月のLIBORなんて死後になった銀行間の無担保貸し借りレート、にちょっと固定レートをつけるくらい)部分を超えたところを超過収益として、それに対して20%などの決められた報酬を掛けています。
では、プライベートエクイティあたりでは世界中でなぜ、そのファンドの設定通貨の10年金利ではなく、8%なのでしょう。「株式への投資」なので、株式投資として一般的にリターンとして期待する「資本コストとしての一般的に要求するリターン」をここで使うべき、という交渉を、この成功報酬というの概念が入り始めた1990年代以降に世界中の大手運用者と大手LP投資家との間で行った結果なのでしょう。
ちなみに、この8%のハードルレートの計算ですが、プライベート資産ファンドに投資したことのある人も投資に携わった人もわかると思いますが、出資するタイミングって、ファンドごとに異なるし、(個人などのコールして支払うことが期待できない投資家に対する)当初一回で一括、でもないですよね。複数回にわたって行われますので、それぞれの出資のタイミングから 8%の複利計算が始まり、投資を回収して投資元本の返還ができた日まで計算が続くわけですから。。。正直面倒以外の何者でもありません。理論的にできるじゃんって頭のいい人はいいますが、実務に落とし込むと大変で手間で、正確性を求められる以上、複雑になるので、ぜひ自分で一度やってみてください>頭のいい人たち
でも、上記の1億円の出資を7年後の今日元本まで回収して複利計算を止めた、としたら、ハードル部分はいくらになるでしょう。単純に、1.08を8回掛ければいいので。。。1億円が 171,382,427 円になるから、71,382,427円がハードルということになります。
これ、7年だからまだいいですよ。10年すると、215,892,500円(手元のiPhoneの電卓だから、端数が適当に消えちゃっていますが、まぁ、500円玉貯金一枚分の誤差と思ってください)になるので、利息は元本よりも大きくなります。スノーボールエフェクト、すごいですね。これを考えると、運用する側としては、より早く回収した方がいい、というインセンティブが働くことになります。ベンチマーク的に言えば、投資実績としての TVPIも大事だけど、時間的リターン効率を測るIRRもキャリーを手に入れるには大事だ、ということになります。
さて、これって別の言い方をすれば、7年を8%金利で借りた利息を払う、という意味合いもあるわけです。まぁそうですよね。運用する側からすれば自分がしたい投資を、自分のお金がないので元手をLP投資家に出してもらっているのですから、借りたようなものです。
でも、バイアウトとベンチャーとで違うじゃない?ほんと?
さて、この話をベンチャーキャピタルの人たちに話すと、自分たちのウォーターフォールにそんなものはない、と言います。経済産業省とVC協会とで作ったとされるVC向けの投資事業有限責任組合契約の雛形にもなさそうですね。
もしかして、リスクフリーレート0%でやってる?とか、経済産業省がない形で作ったから(国がなくていいって言っているから)、とか、バイアウトって投資案件ごとにLBO使って投資しているからレバレッジが効くからハードルレートを置いても勝てるんじゃない?でもVCはレバレッジなしで投資しているから。。。など、ちょっと都合のいいコメントが実は聞こえました。
でも、他方で、100の投資のうち2-3個は、10倍になる、いや、100倍になって世界を変える投資案件をしているからそれなりのリターンを創出しているんだ、ほら、ベンチマークだって他の国とも引けを取らないじゃない、という主張も同じ口から聞こえるので、資産クラスとしてのポートフォリオのリターン目線ってグロスで見ればまぁ、いい勝負って言いたいはずなんですよね、VC協会とPE協会でそれぞれやったベンチマーク調査の結果を見ると。。。としたら資産クラスとしてのリターン目線が一緒なら投資家への投資回収資金の還元って。。。(おっと、これ以上言うとどっちからも刺されそうなのでこれ以上は言うまい)
キャッチアップ、って?
さて、ここでやっと、ウォーターフォールの流れを追ってみましょうか。
取り敢えず借りたお金を元本と、利息(ハードルレート)まできっちり返した後に、やっとGPはまずはハードルレートでLPに払った額を80%になるまでGPに分配がいくようにします。言い換えるとハードルレートの総額の25%をGPに払うことになります。
なんで20%のキャリーなのに25%かって?80:20なのだから、LPの80に対してGPの20は 20/80 = 0.25。ただの算数ですね。
なんにせよ、こうすることで、超過収益の最初の部分が80:20の山分けができることになります。
で、その後残ったものを80をLPに、20をGPに、とすれば、まぁ超過収益を綺麗に80:20の山分けができたことになるのでめでたしめでたし、となるのです。
ですが、GPに対して強気なLPからすると、GPにそんなに簡単に報酬って払っていいの?と思うかもしれませんし、昔からそう思うもののようです。ほら、だって出資しているというか、GPのやりたい投資をするためにお金を貸しているんですから。
そうすると、ハードルレートを払ってGPにだけ報酬を払うところで、全額はあげないよ、と言い出すのです。どう言うことかというと、イメージ的にはこう思ってください。
ハードルレートへの分配が終わりました。次は GPに対してハードルレートの25%を支払うものの
この次のGPへ支払う1ドル札のうち、90セントはGPにあげるけど、10セントはLPによこしな。
そうすると、GPはLPに対して支払ったハードルレートに付け加えて、その後の1まーい、2まーい、と数え出す配分の時にLPに流れ出てしまう10セントの山積み分も踏まえて、80:20になるまで、この1まーい、2まーい、をやらねばならない、と言うことなのです。そうなると、中途半端に儲かったケースだと、よりLPが資金を回収する、というシナリオになるので、強気なLPにとってはよりメリットがあるのです。
この90セント/10セントの分け方、90%をGPに払うのでキャッチアップレートを90%、と呼ぶことになります。まぁ、実際にはアドミが計算する時だって、1ドル札を1まーい、2まーい、なんてしませんので、昔の記事で書いたような、中学校の一次方程式を使っていくらあればそうやって山分け出来るか、を計算することになるのです。
まぁ、最近はあまりみませんけどね。
さて、このキャッチアップも終われば、後の残りは 80:20で分ければいいわけです。とすると、まぁ、ハードルレートとキャッチアップでも 80:20で山分けをしているので、結局は預かった元本の全額返済後は 80:20の山分けだった、になるのです。としたら、ハードルとキャッチアップの額以上にリターンを叩き出せばこんな厄介な振り分けをしなくてもいいじゃない、ってことでもあるのですが、超過収益がそこまでいかない場合の分配の優先順位を、その超過収益を作り出すための元手の出資者である LPが先に受領する、と言うのが話のミソだ、と言うことになるのです。まぁ、常に cash is king な訳です。
投資家同士のフェアネス:equalisation / 平準化
さて、ファンドにおいて、LP投資家同士は金額の多寡に関わらず、常に対応と言えるでしょうか。
基本的には、資産も負債も持分相応の所有や負担となるように根拠法で担保されているからその点は同等だ、と言えるでしょう。
もちろん、大きな額を出す投資家はGPとサイドレターを結んではより多くの情報を出してもらう、フィーの減免を行う、自分の持分における投資先での取り扱いを諸般の事情から変えてもらう、さらには、すべての投資家と結んだサイドレターの条件を取捨選択して適用できる最恵国条項まで、色々とあるはありますが、これは一応GPとLPとの間の取り決めであってLP投資家間で誰かが損することで得をする、と言うゼロサムベースのことをしている訳ではありません。
とすると、常にどの時点においても公平だ、と言えるのでしょうか。次のケースを考えてみてください。
ファンドを組成して初回のクロージング(組合員の参加)だけでファンドとして必要な資金への出資約束の全額を集められる訳ではありません。そうすると、初回のクロージングから半年から一年くらいは投資を行いつつも、引き続き投資家集めをすることになり、それだけでもGPの仕事が増えて大変ではありますが、その募集の活動をしながら投資をした後でLP投資家が出資申し込みをした場合、と言うのを考えてみましょう。
以前書いた、equalisation / 平準化と言う作業が必要になります。
ざっくりとした例で話をするならば
初回のクロージングで10億円のコミットメントをした投資家Aがいて、計算の都合上、一年後に10億円のコミットメントをした投資家Bがいたとします。その間にこのファンドは5億円の投資と1000万円の設立費用と500万円の投資のための費用を払った、とします。
とすると、投資家Aは、5億の投資、1000万円の設立費用、500 万円の投資コスト、あとは、2000万円(10億 x 2% x 1 year)の運用報酬に対するキャピタルコールがかかっている事になります。
さて、後から入った投資家Bは、後から入ったとはいえ、同じ組合員ですから5億の投資に均等に保有する権利を得ている訳ですが、併せて、過去に支払われた設立費用や取引コストも同様に負担しないと投資家Aにとってはただ乗りされることになるのでおかしな話になります。
とすると、ファンド費用と取引費用、そして資産取得費用である 515百万円も同様に半分を負担するべき、となります。そして、この投資に参加すると言うことは、初回のクロージングからファンドに参加していたかのようにGPに対して運用報酬を払わないと、投資対象の発掘から投資といったGPのポートフォリオの構築のための仕事に報いていないことになります。したがって、2000万円の運用報酬も後追いになるものの、支払うことになります。
では、これらの515/2+20 = 257.5+20 = 277.5百万円はキャピタルコールで投資家Bからファンドに一旦支払われることになるのですが、これはどこにいくのでしょうか。
ある意味投資家BのためにAが建て替えていたことになるので、257.5 百万はファンドから投資家Aに出資額の戻り、として支払われて、20百万円はGPの報酬として支払われます。そうすると、ファンドには5億で取得した資産だけが残ることになります。
まぁ、ここまではまだいいでしょう。ある意味持分の平準化の言葉の通り、です。
さて、これだけで本当にいいのでしょうか。
日本の投有責でいう「追加出資手数料」は誰のため?
投資家Aは、初回のクロージングで入って、投資の検討中に本当にできるかどうかまだ見えていなかった投資案件(や、もちろんその後の投資案件)の実行の可能性に基づいて、空っぽのファンドに投資した、といえますが、投資家Bは、既に投資実行した後で、中身が一つあることをみて、投資を判断できたことになります。上場株式の投資のような、まだ比較的なんでも売ったり買ったり出来る資産と異なり、この取得が本当に出来るかどうかわからない、資産のあるなし、と言うのはファンドに参加するリスク、と言う意味ではかなり違います。
また、上述のように、投資家Aは投資家Bの投資持分資産の建て替えをしていた訳ですから、その分の利息を支払う、と言うのは道理が立ちます。
では、その利息とは?と言う話になりますが、海外の取引における一般的なものは6-8%、要は資本コストでブラインドプールへの投資リスクも評価している、と言うことのようです。
そうなると、この利息は投資家Bから投資家Aに対して支払われるべきものなので、手続き上はキャピタルコールの一環としてこの利息を追加出資手数料と称してファンドに支払うものの手数料分はファンドが受け取るのではなく預かったものとして、その同額を出資額の戻しに乗せて投資家Aに支払う、と言うのも、(海外では、だし、それに沿って、私が運営していたファンドでも)普通に行われることです。
ま、逆に言えば、セカンドクロージング以降、ちゃんとポートフォリオの中身が年率8%以上で回るものが入っていないと、後から入る投資家からしたら8%払うんだからそれなりに魅力がないとね、ってことにもなるのです。もう、そこはLP間の公平性よりも、GPの力量ですよね。
さて、日本の雛形組合契約、をちょっとみてましょう。初回で入ろうが後から入ろうが出資約束額の10%を支払えば良い、としているので、資金がそのままファンドに残る形です。しかも、追加出資手数料はファンドの収益の扱いになっていることが多いです。と言うことは、後から入った投資家も、その利益を受け取る権利を持ってしまいますから、自分で払った追加出資手数料を収益として手元に戻ってくることになるのです。
今でこそ減っているそうですが、そんな手数料を支払わない、と最後にやってきてそこそこ大きい出資をする投資家さんというのが市場にいるらしいのですが。。。ん?ブラインドプールへの投資リスクって評価しないし、リスクマネーに対するファンディングコストという発想でもなさそうですね。個人的には違和感だけが残る処理なのですが、これって本当にいいのでしょうか?まぁ、それをいうと、公共の立場で中小企業への支援をしているのだから、という大義が前に出るかもしれません。でも、それはそれ。市場の原理と、他の投資家のリスクの評価も正しくすべき、でしょう。
ちなみに、個人投資家さんの取り扱いについても
ハードルレートのところでちょっと触れましたが、よく個人投資家さんがこの組合に入る時、最初から全額入れてね、というケースは少なくないと思います。上記の投資家間の公平性の議論に当てはめると、なんか違和感が出そうですよね。
これは、個人投資家さんのファンドに対する信用リスクと事務の煩雑性から来た措置、ついでに言えば、投資信託等の投資商品での親和性、と色々と解釈がされています。
言ってしまえば、1億円の投資をする、のだから最初から全額出しますよ。自分の投資に関するIRRは特に問わないから、TVPIがよく、自分の「推す」、「尊い」社会的目標にあった投資をしてくれる方が大事、という、手元の投資資金効率とかいいから、という考え方、出会ったり、いちいち、2500万送金して、を年に数回もコールをされるのは手間だし送金手数料もバカにならないし(いや、法人投資家だって同じですが。。。)、というところ、そして、これが本来のところと思っていますが、個人なのでコールを見逃して送金し忘れる、または、懐事情が急に悪くなって払えないから、えいっ、無視しちゃえ!とされるリスクは、投資する資金として当てにするGPからしたら一番困りますよね。個人の信用リスク格付けってないですものね。
まぁ、ガチで考えるならば、LE - Loan Exchange、要は消費者金融から、クレジットカード、割販、銀行ローンの信用情報の交換ネットワークから判断する、は出来ますけど、銀行などの金融機関がGPをするにしたって個人部門のそんなところから情報をわざわざ取ることはないですし、この解決方法があるならば手数料や手間をかけてはしません。いわんや、金融機関扱いされる63条特例業者にはそんな信用情報へのアクセスはおろか AML/KYCに不可欠な広域ほにゃらら団とその構成員のリストなどにもアクセスできませんからね。しかし、どうやって AML/KYCをしろっていうんでしょうね。。。
なので、まぁ、これがファンド運営としてのベストプラクティス、とはなっているのも道理です。でも、ファンディングした分くらい手数料は払ってもバチは当たらないと思いますよ。
見方を変えるとファンドの在り方が変わる。
ということで、なんとなく、GPもLPも同じ投資目的に賛同した仲間!的な雰囲気で誤魔化されそうですが、よくよく「金融商品」としてのそれぞれの立ち位置を踏まえて見ると、違う立場なりの利益というのがちゃんと存在することが見えてきます。
それを前提に置くと、組合契約であったり、出資申込書に書かれている文言というのは、仮に経済産業省の雛形だ、と言っても、作る時に LPの利益を代表する人がいたかどうか不明である以上、GPが作っているものである限りは、GPに有利なものに当然なっている、とまずは疑うべきだし、よほどの大人気のGPであなたの投資がなくても十分投資したい金額が集まるよ、というオーバーサブスクリプション状態にならない限りは、金額の多寡に関わらず、公平性に基づく利益や、自らの置かれた前提に基づく制限への対応というのは、まずは求めるべきだと思います。その内容と受け入れ方法は、組合契約の修正になるのか、個別のサイドレターになるのか、は交渉の結果によると思いますが、大事なのは声を上げること、です。
幸い、公募の投資信託ではないので、それでなければ受け入れられない、という変更不能な契約の塊ではない、私募の世界なのですから。
大事なのは、GPとLP個人、またはGPとLP全体、そして、LP間で公平とは何か、それが説明できて互いに納得できるもの、であること、です。ま、それを契約とか合意って本来はいうんですけどね。
それがファンドに関わらず、一番「尊い」んじゃね?と個人的には思っていますが、何か?(笑)

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