前回の記事までで、クレジットカードの本当の基本的な機能である、お店で支払いの時に使えて、実際の支払いは後から追いかけてくる、ということ、また、後で払う時に幾つかの支払い方法があるので、その時の資力などに合わせた使い分けが出来るし、しないと大変なことになる、というお話をしました。
この記事からの幾つかの記事では、クレジットカードと似て非なる類似の決済サービスについてその違いと留意点についてご紹介して、スマートな使い分けをしていただくサポートになればと思っております。
デビットカードってなあに?
クレジットカードと並んで、支払いのカウンターなどで目にする言葉として、まぁ、PASMO/SUICA/ICOCAなどの交通系のICカードとともに、デビットカードというものがあろうかと思います。名前としてはクレジットカードと似ていますが、どう違うんでしょう。
デビットとクレジットの違いは何?
英語で会計用語に触れたことのある人が主にその違いをイメージすることができるかと思うのですが、クレジット(credit)が信用とか貸勘定、掛売りを意味するのと対比してデビット(debit)とは負債とか、引き落としという意味があります。ここからイメージできるのは、デビットカードを使うと信用取引という事で支払いを先に延ばしてくれる、という事ではなく、むしろ引き落とされそう、ということのようです。
実際に、デビットカードを使うとどうなるか?
ケース3として、ヤドバシカメラで10万円のコンピュータを買ったとしましょう。その時にデビットカードを使ったとしたら、何が起きるか、といえば、
デビットカードと連動している銀行口座から10万円が利用した瞬間に引き落とされる
のです。まさに、「デビット」カードです。ですので、クレジットカードを持つことに懸念を抱いている人の一番の懸念である「借金はどんな形でも、無金利でも、嫌だ」という人にも安心です。
という事は、デビットカードのメリットってなんですの?
基本的には、デビットカードでの支払いは、ATMでお金をおろしてそのまま支払いに充てているのと同じです。ですので、単体で考えれば
ATMに行かないでも現金での支払いとほとんど同じ条件で買い物ができるので便利
ということに尽きます。借金をしたくなく、でも ATMに立ち寄ることなく支払いをしなければならない時に絶大な利便性を発揮する、ということになると思います。しかも、108円から216円掛るATM利用手数料を払ってお金をおろさなくてもいい、というのは、少額の支払いをする時に、いちいちATMを使わずに済むという意味では強力です。
また、借金やクレジットカードを使っていない、という履歴は実は結構強い時もあるのです。例えば、住宅ローンを借りる時、もしクレジットカードを持っていると、借金をしていなくとも借金しようと思えばいつでもできる、という意味に取られますし、クレジットカードの発行会社に新規発行を求めようとするとこのクレジットカードの数が邪魔することもあるのです。
でも、デメリットってなんでしょう。
これは明らかにクレジットカードとの対比で考えるべきことかと思うのですが、
クレジットカードで得ていた時間の利益として得たであろう金利収入を上乗せ出来ない、という時が一番でしょう。何せ自動引き落としの日までの間の金利計算をしなくていいのですから、買った値段で後から払えば足りる、ということです。
また当然ですが、クレジットカードで決済した時に得られるポイントもつきません。
このデビットカード、どうやったら手に入るの?
さて、このデビットカード、どうやったら手に入るのでしょう。とっても簡単です。銀行口座を開設したらもらえるキャッシュカード、ありますよね。それがそのままデビットカードになります。日本国内ならば、ですが。最近は、銀行さんが結構積極的にデビットカードを推してますよね。
海外でもし銀行口座を開いたら、キャッシュカード、ATMカード、と呼ばれるカードを渡されるのですが、その表面にはクレジットカードでお馴染みのブランドのロゴが印刷されていることがほとんどです。というのも、これが、クレジットカードの決済システムに相乗りして、銀行口座から即時引き落として支払いに充当するから、なのです。なので、海外のATMカードはクレジットカードと同じように有効期限があるのです。
まとめ
見た目はそっくりのクレジットカード/デビットカードですが、性質が全くの正反対でしたね。どちらを好んで使うかはもちろんユーザーさんの選択ですので多くは語れません。FP的には時間の利益を享受できる分だけクレジットカードを推奨したいところですが、ATM利用手数料が無料にならない銀行を使っている人が現金ベースで人生を送りたい、という時にはパワフルなことは否定できませんので。。。
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